温泉ペンギンは食堂の壁を塗る

温泉ペンギンは台所のみならず食堂の壁も塗装していた。

ペンキが余ったからだ。

ついでにベージュ系の色は建物に合っていたから。

温泉ペンギンは食堂と台所をおしゃれにしたいと思っている。

ただ、おしゃれにしすぎると日々暮らすのにちょっとやっかいだ。第2ペンギン荘は暮らす場所であって訪れる場所ではない。おしゃれすぎはやっぱり疲れてしまう。

一方、目立つことをしないと雑誌や新聞には取り上げられず、認知度が上がらない。要は超絶おしゃれにしたり、大きな交流イベントを開いたりだ。でも住む人にとってはどうなんだろうと思ったりする。これは悩ましい。

第2ペンギン荘は移住者が腰を据え数年単位で住んでもらうことを想定している。移住した地でなるべく早く日常を作り上げてもらい、そうやって基盤ができた上で信州が誇る素敵な自然や民藝やなんかを楽しんでもらいたいと思っているのだ。

 

「要はいい塩梅にしないといけないんだな」

ペンギンはあまりに無心でペンキを塗るのに飽きてしまい、こんなことを考えていた。