◎びりびりのふすま
「近江屋」・・・とカエルペンギンは言った。
坂本龍馬が暗殺された京都の宿である。
言い得て妙だ。
いつ貼られたのかも分からない襖紙はびりびりに破られ、それを補修するように数十年前のカレンダーが貼られていた襖たち。
そのカレンダーすらも劣化の上、びりびりに破れていた。
第2ペンギンは見慣れていて目が節穴になっていたから、単純に「四畳半二間で間仕切りが全面襖!」という色々な使い方が出来るこの間取りだけで、この部屋が第2ペンギン荘で一番いい部屋なのではないか!?
・・・という幻想に陥っていたのである。
節穴もいい所だ。
だが、荘民である東京ペンギンやカエルペンギンの話を聞いて「はっ!!」としたのである。
こ、この屈辱は晴らさねばならない。
そこで第2ペンギンは「本当に」この部屋を一番素敵なお部屋にしようと固く決心したのである。
そんなわけで先日、薄汚れた床の間の塗装DIYをした。
今回は襖の交換である。
◎なくなったふすま
第2ペンギンは建築学科卒業の設計をしない建築士(2級)である。
よってうっすらと建築の知識があるのだが、実際にやるのは別だ。つまりはDIYはyoutubeなどから得た知識による見様見真似である。
そんな中、第2ペンギンは大工工事、塗装工事、サッシ工事、コンクリート工事、電気工事などをやっているのだが、苦手なものもある。
キレイに仕上げること・・・だ。
大工工事や塗装工事ならなんとなく「ぽく」仕上げれば何とか見栄えがする(プロがみたら本当はそんなことない)のだが、壁紙とか障子とか紙をピシッと貼る・・・みたいなDIYは誤魔化しが効かない分、大の苦手とするジャンルなのである。
てことで、襖の張替えは業者さんにお願いした。
襖は全部で8本(襖は「本」と数えるらしい。裏表あるのもあって、張替えは14枚である。
そして1枚あたり数千円が張替え費用だ。
×14枚だから決して安からぬ設備投資である。
和室は落ち着いた雰囲気で好きだが、畳や襖など枚数が多いものが多いので結構お金がかかる。
だが、第2ペンギンはこの部屋を一番素敵な部屋にする!!・・・という使命を背負っている。
ここはどーんと一括で業者さんに持って行ってもらった。
襖が無くなった部屋はがらーんとしてしまった。
これはこれで涼しそう!・・・と思ったが、今は真冬。
寒そうである。早くコイコイ新しい襖・・・の心境だ。
◎あたらしいふすま
で、数日後に届いた襖を取り付けたのがこんな感じだ。
どうだろう?
素敵ではないだろうか?
下の写真は電気工事も終えてしまったものである(後日、記事にします)が、もう「近江屋」とは言わせない。
第2ペンギンは大変うまく行ったことを喜び、そして、みんなに褒めてもらいたいと思った。
第2ペンギンは褒められることで俄然やる気を出すタイプだ。逆に、注意されるといじけてなんもやらなくなる。
この点で、下宿のみんなは第2ペンギンの扱い方を良く心得ている。
第2ペンギンは下宿のみんなが外出中だったので、褒めてもらうためにみんなの帰りを待った。
19:00。みんながぞろぞろと帰ってきたところで、第2ペンギンは「みんな見てみて~!そして褒めて~!!」と目をキラキラとさせた。
みんな学業や仕事で疲れているのに、部屋までわざわざ見に行ってくれたのである。ありがとう。。
そして言った。「無印良品っぽい!!」と。
無印良品を目指したわけではないが、これは誉め言葉である。かつてこの部屋を持って「殺伐としている」「近江屋」と言わしめたのは今いずこ。
「えへへー」と第2ペンギンは気持ち悪くはにかんだ。